2006 年  24時間走japan cup 6/3-4

 昨夜、テニスの仕事から帰宅したのが0時を回っていた。肝心なレースなのにかなり疲れが残っていたが。公認大会のはずが手違いで未公認大会となり、すこし気が楽になった。
 朝8時、会場の武蔵小金井にある東京学芸大学で受付を済ます。その実力も走り方も周知の面々が揃っていた。いったい誰がどれだけの記録を出すのだろうか、自分も含めて楽しみである。目標は自己ベストの228以上で230kmを超えることだ。

 10時 24時間走の時計が動き出した。1kmの周回コースをぐるぐる走り続ける。先導をしてくれるのは24時間走世界大会覇者、関谷良一くん。キャンパス内を1周穏やかに走ってくれた。2周目で関谷くんが抜けると、黒田さん・松下くん・前田くんがいきなりギヤチェンジ、その後を僕と鈴木くんが続くが、僕らのペースじゃないよねとペースを落とした。僕らと入れ替わりに実力者の中村さん・小倉さん・宇都宮さん・西村くん・亀井くんに混じって見知らぬ4人に抜かれる。
 今回のレースはサポート体制が充実している。今年ウルトラ仲間で立ち上げたばかりのクラブ『マイスター』から、選手5人(佐藤・亀井・西村・鈴木・吉岡)とサポーター加藤さんはじめ11人の体制である。是非、皆で200km越えして見ごたえのあるレースにしたい。「4h 42km 16位」
 
  見知らぬ4人は姿を消してしまった。マイスターの西村くん吉岡くんにはほとんど会わなかった。実力者達からはどんどん離れてしまった。前後していたマイスターの鈴木くんと「これでも随分頑張ってる方だよね」と距離が延びてくれないことをぼやきだしていた。同じくマイスターの亀井くんがペースダウンしてきた。実は3人とも1ヶ月前にさくら道で250kmを走ったばかりで、どうやら疲れが残っていたのが原因だったみたいだ。でも2番目を走る松下くんは、今年のさくら道の覇者、彼は27歳、若いっていいな、と思った。「8h 84km 11位」
 


 土日のキャンパスは部活で賑わっていた。コース上にも自由に往来があり、様々な言葉を投げかけてくる。「何がおもしろいの?」「有り得ない、私は無理」「400km位走れるの?」などと、理解をして応援しにきてるわけでは無いから、世間の反応はこんなものだろう。
 100kmの通過が9:43だった。この1年間の24時間走で最悪だった。しかし、ペースが落ちていく気がしなかったから、その内目標に追いつくような気がしていた。
 流石のさくら道の覇者、松下くんが足を止めてしまった。12時間振りにマイスターの西村くんと吉村くんに「久しぶり」と声をかける。僕らは3人ともコンデショニング山下で鍼治療をしてもらっている。山下くんは高校生来、テニスのダブルスのパートナーでもある。その他マイスターのメンバーが6人お世話になっていた。マイスターの出来は君の腕にかかっていると言っても過言ではない。「12h 125km 7位」

 深夜になり眠くなってきた。突然「キャー」男女が入り乱れて騒いでる。「コラー」先生に叱られていた。学芸大学大丈夫かな・・・。この騒ぎで眠気が飛んでしまった。そんなころにアイドル里美ちゃんと24hと48h走女子世界チャンプ稲垣さんがマイスターの応援に来てくれた。いい所を見せようとオーバーペース「暴走するなー」チームの皆に叱れてしまった。暫くすると上位の松下・前田・石渡・大西・小倉・宇都宮が歩きを入れだした。この時間帯の暴走が功を奏したのか3位に浮上。マイスター5人がそれぞれ順位を上げチームエイドが盛り上がった。「16h 165km 3位」

 3位まで賞金が出る。「みんなサポートを頼むぞー」眠い・痛い・嘔吐、これから更に辛くなって来る。しかし、マイスターの5人がいまそれぞれの目標に向かってこつこつと距離を刻んでいた。そんな逞しい背にあるマイスターのロゴを頼りに走り続けた。幸いに食欲は落ちなかった。出された物は全て食べた。素麺・パスタ・カレー・蕎麦・スイカなどだ。勝負の時に粘れそうだ。
 2位の中村さんがリタイヤし一時2位になった。しかし、井上くんのしたたかな気味の悪い圧力に負ける。「20h 203km 3位」

 井上は僕の背後にピタリと付き、暑苦しい。先に行って欲しかった。先を促しても、スペードを緩めても背後にピタリと付いたままだった。悲しくなる。彼は勝つレースをしているのだ。それに対して僕は勝ち負けより230kが目標で、勝ち負けは二の次だった。この時間帯での気迫に押しつぶされそうだった。はっきり言って気持ちが悪かった。「俺は3位でいいから」と言っても彼は信じてくれないだろう・・・。エイドで「なんだよ あいつ」愚痴をこぼす。ペースと心を乱され、座り込んで腹越しらいをする。しっかり食事をしている間に2周の差になり、開放される。ホットするのもつかの間、4位の前田くんが息を吹き返し全力疾走、僕は4位に落ちてしまった。あの走りが続く訳が無いと思った。「絶対負けない」。粘って頑張ってみた。食べたせいか終盤にレベルの高い走りの空間を味わう事が出来た。前田くんが観念したのか歩き出し、「負けた」と握手を求めてきた。更に先頭の黒田さんがフラついている姿を見つけたのだ。

 残り1時間、マイスターのエイドに着くと皆が小声で「2位を狙いましょう」。「よーし」サポート隊と気合充分。後3周で追いつくはず。そして黒田さんが歩き出した。2位になった。遂に残り40分で夢の230kを通過、気持ちが緩み涙が出てきた。不意を突くように黒田さんが猛スピードでやってきた。流石に敵わないとおもった。肝を冷やしたが、今更負けられない。鈴木くんと最後に並走しながら力を振り絞って黒田さんを引き離す。再び24時間走の醍醐味を感じていた。残り10分で黒田さんを抜き、3分前で涙目になる。後1分だ「もっと行かせてくれー」10秒前で鈴木くんと「行くぞー」。「うわーーーっ」。奇声を発しながら走った。「終了ー」。その場に倒れこんだ。空を眺めていた。最高の気分だった。凄い充実感。「やったねー」と鈴木と抱き合った。彼も自己ベストだった。向こうからサポートしてくれた仲間が迎えに来てくれた。ありがとうの言葉ではなかった。涙があふれ出た。気がつけば皆涙顔だった。言葉は必要なかった。マイスターの仲間が居ること、マイスターのユニフォームを着ていることが誇らしかった。5人揃って200k越えをすることができた。「やったぞーーー」



 いつも帰りがキツイ。駅で吐く。眠くてベンチで寝た。トイレでは墨みたいな便、胃潰瘍状態だった。内容の濃い24時間が終わったのだ、見渡すとそこには普通の日曜日の午後があった。「237.374k 2位」だった。井上は241kmだった。次の目標は240km越えである。

    仲間からのコメント
 「進化しますねー」
 「あきれるほど凄いです」
 「後半の気迫の顔は正に勝負師、オーラがあふれていた、見れてよかった」
 「いいものを見せてもらったよ、誰一人欠けてもこんな素敵なマイスターは見れなかった。万歳」

  など、皆ありがとう・・・・

マイスターの仲間

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