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  • 2017.08.26 Saturday
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    2012 さくら道ネイチャーラン

      
     二年振りにネイチャーへ戻ってきた。初めて走ったのが2002年、そして今回で6度目のネイチャーランだ。昨年は妻の千夏と、もう一つのさくら道、266劼鯀る遠足(とおあし)の方に出場していた。二人で励ましあい、30時間もの間、激しい風雨の中を耐え、44時間もかけて完走を果たした。
     「さくら道ネイチャーに良一さんがいないとダメだよ」と、今回も沢山の方に声をかけていただきました。大会の元となった人の名前が僕の名前と瓜二つ、佐藤良二なのだから無理もない、僕も偶然とは言うものの、話題性から考えてみても僕が出ていたほうがよさそうだと思っていました。それに大会に面白みを加えることができていいと思っている。ちなみに千夏の名も、良二さんの妻が八千代さんだから、「千」つながりで全く似ていないことはなかった。だから来年は二人で走りたいと思っている。「私はまだ無理だよ」と言っていた。今回チームの応援に来てくれることになっているが、大変さを知り、更に敬遠にならなければいいのだが。

     縁起はなんとなく担ぎたくなる。20日、名古屋へ昼に着き、マッサージをする。夜は皆で「世界の山ちゃん」という名古屋では有名な手羽先の店で検討を称えあう。いつもと同じことをしておけば、一安心する。完走する気がしてくるから不思議だ。何度完走していても、250劼猟垢さ離は不安と恐怖で一杯だ。特に今年はヘルニアもさることながら、昨年の夏に起こってしまった心臓発作が心配だった。それが心配だから千夏は来るのだと思う。だから無理はできない。自己ベストを更新させたいが、来年千夏と走りたいから無難に完走、それが今回の使命だった。でも、いつもより身体の状態がよかった。自己ベスト更新の欲は捨ててはいない。やる気は高いほうがいい。
     
     4月21日、朝の6時がスタート。僕は6時15分からのウエーブスタート、6番目の最終組だった。前回の結果がたまたま上位だったからだ。僕たちのチーム「鳳」からは5人が走る。男子3人全員が最終組だった。竹ちゃん(竹田賢治)、梅ちゃん(梅澤功)である。女子が二人、琴美ちゃん(鈴木琴美)第4ウエーブ、尚ちゃん(白倉尚子)第2ウエーブから走り出す。僕は昔からのライバル、と言うではないが国内外のレースでよく顔を合わす加納くんと共に走り出した。
     竹ちゃんと梅ちゃんはどんどん前へ意欲的に走っていってしまい、もっと先を優勝を目指す、前回優勝の鍵さん、そして松下くん、沖山さん、木曽さん、日吉さん、我孫子くん、日置くんなどがありえない速さで消えていってしまった。今年のレースは戦国レースになるのでは、と言われていたが、竹ちゃんと梅ちやんがどこまで食い込めるであろうか、楽しみだ。僕と加納くんはきちんと信号を守りゆっくり走った。その中、少しでもタイムロスをしたくないのだろう、一人の女性ランナーが赤信号でも走り抜けて行く。
     
     やたらと蒸し暑かった。滝のような汗だ。帽子もウエヤーも重りの様に重く感じながら走っていた。天気予報は曇り、最高気温が12度だった筈。しかし美並では22度になっていた。それに日が差してきた。サングラスは今回は必要ないだろうと置いてきてしまっていた。ウエヤーもロングにチームTシャツの二枚重ね、更にロングタイツを履いていた。こんなに汗を掻いていいわけがなかったが今更仕方がない、少しでもゆっくり走るしかない。他のランナー達も汗だくだった。
     深夜から雨になる予報だ。冷たい雨になるのだろうか、それとも嵐のような雨なのだろうか、僕は小雨程度ではないかと予想し、準備していた。それらの装備はライトとともに、25番目のエイド(補給所)に預けてあった。はたして明るいうちに25エイド、123・9km地点に到達できるのであろうか、段々不安になったきた。むしむし蒸し暑い中を、芝桜の鮮やかなピンクや、側溝やガードブロックなどに定間隔で咲く蓮華の花を見、満開を終えた佐藤桜の花吹雪を浴びながら幸せを感じようとして走った。
     狙ったわけではないが、100kmをサブ10(10時間以内)で走っていた。もうすぐ第一関門の白鳥だ。千夏が首を長くして待っている。信号待ちをしていたら、また背後から信号無視して走っていくあのランナーが、更にS字カーブでショートカットをする。車が全く来ないのであれば、まだ許せるが、後ろを振り返らず右手を派手に上げるだけは言い訳がなかった。車も来ているし、後ろから見ていて危なっかしい。「危ないだろうが、このボケが」、聴こえる分けなかったが大声で言いたかった。
     白鳥町の商店街に入った。千夏の姿が遠くからでも見えていた。




                 美濃白鳥駅前通り

     千夏と、もう一人朱美ちゃんが出迎えてくれていた。新たにチーム鳳に仲間入りした福井県のメンバーだ。千夏の走友で、ここ白鳥町から5km西にある油坂峠の先からは福井県だった。彼女もいつかはネイチャーを走ってみたいに違いない。
     毎度の事だったが、僕の名前に驚いていた。「ほらほら、佐藤良一さんだって、おんなじ名前だ」

      
         No21エイド   第一関門 白鳥町 106・9km 10時間38分 休憩10分

     前回は10時間丁度で着いていたから、38分の遅れだった。練習が足りていた訳では無かったからこんなもんだろう。しかし、汗の掻き量が激しかった。休憩中、身体がどんどん冷えてきた。さっさと補給をして、走り出さないと風邪を引きそうだった。沿道を走っていると、町の人達が僕たちの姿を見つけると取るものも取らずに駆け寄ってきて声援を賭けてくれた。回を重ねるごとに、沿道から声援を賭けてくれる人の数が増えてきている。それだけ、さくら道ネイチャーランが浸透してきた証拠だった。そして、一様に僕の名前を見て共感していた。
     心配していたライトだったが、ギリギリ足元が見えている明るいうちに、預けていた24エイドに辿り着くことができた。夜間走行になる為、反射板ベストを身に着け、ヘットライトを灯し、標高920mのひるがの分水嶺に取り掛かった。上りの練習はいつもしていた。だから比較的に自信を持って走った。登りだすと10人ほど抜いただろうか、汗が大分でてきた。例年の蛭が野は0度前後、今年は14度と高温だった。普段と違うコンディションでの走り、今回は苦労しそうだ。駒ヶ滝の爆風を左から受けたら、もうすぐ峠だ。レンタカーで先回りしてチームの応援をしている千夏が、遠くから手を振っていた。


             
             No25エイド 117・9km 休憩50分

     梅ちゃん、竹ちゃんの順で、僕の10分ほど前を走っているらしい。竹ちゃんが、言葉も掛けられないほど衰弱しているとのことだった。僕も弱音が出そうだったから、足の引っ張り合いにならないように、少しこのエイドでゆっくりしていくことにした。特にタイムも順位にも拘ってはいない、それに汗を掻き過ぎたのだろう、ここで足が軽く攣ってしまう。
     30分もマッサージをしてもらった。ついでに仮眠。気持ちよく走り出した。次のエイドまで9kmもあった。思っていた以上に時間がかかり、手持ちの水が底をついてしまった。やはり、気温が高いせいだろう。次のエイドを出た途端に補給した物、全てを吐き出してしまった。それでも定期的に水分と蜂蜜などのエネルギーを補給していった。でも悲しい事に、その度に吐き出してしまった。呼吸を荒げ、なかなか治まらなくなってしまった。歩いたが、それでも治まらなかった。焦った。心臓に負担をあまりかけたくはない。
     荘川桜が見えてきた。呼吸を荒げる僕を千夏が心配そうに見ていた。うつむいて、顔を上げると景色が白く霞んでいた。落ち着け、時間はある。
     やがて呼吸が落ち着いてきた。白川郷エイドでマッサージをしてもらえるはずだ。その間にしっかり補給できるだろう。仮眠をすることもできる。そこまで約30km、エイドが5箇所ある、頑張るぞ。
     外に出た。不気味なくらい静かな暗闇だな、と思った。きっと嵐が来る。
     午前0時を回った。156・6kmの平瀬温泉白川タクシーエイドに着いた。テントが大きく揺さぶられている。嵐が来たのだ。木々はざわめき、暗い空では不気味な唸り声を上げていた。そういえば明日、富士五湖ウルトラマラソンがある。仲間たちが大勢走るのだ。初めてウルトラを走る不安な気持ちを思うと気の毒だと思った。
     各エイドでは乳製品を積極的に口に入れた。エイド間では15分に一度の間隔で、幸せを噛み締めていた。それは頑張ったご褒美に蜂蜜を舐め、一口の水を飲むことだった、たったこれだけだ。「あの橋まで行ったら、楽しみにしていた水が飲めるぞ」

           No28エイド  第二関門 荘川桜 143km  15時間26分  休憩15分

     白川郷に着いた。皆、風で飛ばされないようにテントを押さえていた。テーブルの上には美味しそうなものが並んでいた。沢山食べたい、でも食べられない、もどかしかった。プリンやヨーグルトを少し食べた。そして千夏に促され、マッサージテントに移動した。そして先生にいわれる。「心臓と胃が圧迫されています」。驚いた事に、筋肉だけではなく、内臓まで解してくれたのだ。お蔭で、その後は吐く事もなく走ることができた。実は先生はランナーでもあり、昨年、同じさくら道266kmの遠足を僕たちに遅れる事1時間で完走していた。あの悪天候の中を走った仲間だった。その後、五箇山タクシーエイドや、道の駅福光でも心配をしてくれ、治療をしてくれた。完走できたのは先生のお陰だと思っている。

         No34エイド 第三関門 白川郷  172・6km  19時間37分  休憩50分

     6km先、次のエイドまではトンネルばかりの退屈なエリアだったが、幸い風の影響はなかった。静まり返った冷たい空気が支配する中で、僕のおならの音が気持よくトンネルに響いた。乳製品の食べ過ぎだろう、頻繁に出した。
     外に出ると強い横風にあおられた。橋を渡るときが特に怖かった。車は全く来ない、だから車道に下りて走った。エイドに着くと、両膝を血に染めたランナーがいた。横風にあおられ深い側溝に落ちたそうだ。それだけの強い風だった。外に出るのが億劫になる。
     186・6km、道の駅ささら館エイドを出ると空が白み出していた。トップ争いをしていた沖山さんが歩いていた。五箇山タクシーエイドに着くと、ちょうど鍵さんが出るところだった。第一回大会優勝者の沖山さんも、前回の覇者鍵さんも苦戦していた。今年は例年と比べてかなりのリタイアが出ているそうだ。
     マッサージをしてもらい、ますます体調がよくなった。そして食欲も出てきて、カレーと素麺を食べた。身体の底から元気が漲ってくる。
     五箇山への登り坂、上のほうで赤いジャンパーの千夏が手を振っていた。その五箇山トンネル入口エイドのテントが今にも吹き飛ばされそうだった。大変なのにスタッフの親切がありがたいと思った。イチゴとスイカをたらふく頂いた。竹ちゃん、梅ちゃんとは大分差がひらいてしまったようだ。「次は20km先の福光でね」と言い残し、千夏たちの車が先を急いだ。

           
          No40エイド 五箇山 212km 
     
     トンネル内の歩道は、湧き水と泥でぐちゃぐちゃだった。靴が水を吸い、段々重くなってくる。812mの梨谷トンネルに続き、長い3.2kmの五箇山トンネルだ。景色が変わらないトンネルは眠たさが大敵だ。走らないと睡魔に襲われてしまう。15分ごとの、水分補給というご褒美を口にしながら走り続けた。トンネルを出ると、今度は5km坂を下る。そこが第4チェックポイント大鋸屋だ。背後から強風が吹き降ろしてくる。一度スピードが出てしまうと制御が訊かない。太ももに大きな負担がかかった。しかし、いつも苦労して下る苦手な道は、2年続けて肉離れに苦しんだのであった。不安だったが、体調がよみがえっていたせいか、まだ走れる足が残っている。残りは38km、9時間が残されている。どうやら完走は出来そうだ。
     城端の郊外に、満開の桜の大木が目を楽しませてくれた。強風でも花びらを散らせなかった。僕も桜の木に負けないように、5時間以内の2時前迄に兼六園へ着こうと思った。
     福光のエイドには千夏たちの姿はなかった。レンタカーを返す時間になってしまったのだ。最後のマッサージをしてもらった。走り出したのが11時だった。残り26.6km、登りが二つ、それを越えると森本駅だ。そこからは残り7kmで兼六園だ。「3時間で着くぞ」、ペースを上げた。華山温泉、川合田温泉、富山県と石川県の県境、この9kmの間を去年は千夏と二人で、カエル鳴く、雨の滴る深夜に3時間も歩き通した所だった。今回は約1時間で走り切れた。こんなに近いのか、と驚いた。
     森本エイドに1時20分に着いた。7kmを40分以内で走れば2時までには着ける。遠くに白と黄色の二つのシャツが動いのが見える。加納くんと千木良さんだ。二人を脅かしてやり、そのまま兼六園を目指した。その後、他の二人のランナーを追い越し、園内の坂をダッシュ。ゴールが見えてきた。朱美ちゃんの姿は見えていたが、千夏の姿が見えなかった。雄姿を見せたかったが仕方がない、とゴールの佐藤桜に触れようとした時、千夏が何処からか飛び出してきた。目頭に涙が溢れてきた。
     
     完走できて本当によかった。久々のまともな完走だった。心臓への不安、肉離れの不安、練習不足の不安、ヘルニアの不安、それらから開放された安堵の嬉涙だった。これで今年のスパルタは完走することができる。

     



       No50エイド  金沢 兼六園 250km 31時間44分 22位(114人中 完走82人)








      チーム鳳、5人共完走した。


      白鳥町、文元の酒蔵。桜の花酵母の酒が旨かった。


      白鳥町、藤枝の桜


      いつもは夜走る昼間の御母衣湖


     

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        実は手術やブロック注射に頼ることなく椎間板ヘルニアを改善する方法があります。
        • 自宅で出来る!ヘルニア改善エクササイズ
        • 2012/05/26 9:19 AM

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        NHKおはよう日本に出演

        動画 YouTube     (2013 LA ULTRA THE HIGH 222km at RYOICHI SATO)            2013年、8月3日

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