ネパール震災のその後を訪ねて

 

 

 

 2015年4月25日11時56分と12時51分に、ネパールで二度にわたる震度6強、マグ二チュード7.8の地震があった。

 

マナスルがあるゴルカ地方の本震と、エベレストを含むクンブ地方の余震である。

 

僕は2014年1月にクンブ、2015年1月にはマナスルを歩いたことがあった。

 

その時に写したスナップ写真を見つめながらいつも心配していた。

 

そして、思いでの詰まったネパールに何かをしなければと思っていた。

 

 

 

世界中で様々な災害や貧困や伝染病撲滅などを謳った救済基金がある。

 

その殆どが現地には届かず、現地のNPOや政府が奪ってしまうのだという。

 

だから僕は、直接渡すために衣類と文房具を持っていった。

 

 

 

カトマンズの北の山間部にランタン村がある。

 

2011年1月にアンナプルナで行われた100kmトレイルランニングレース後に行ったことがあった。

 

その日はランタン村の先にあるキンジャリゴンパにいく予定だった。

 

昼下がりだった。

 

ランタン村の手前にあるつり橋を親子が渡っているところだった。

 

5mほどの長さの角材を3本背負っている若い女性と、ヨチヨチ歩きの女の子だった。

 

二人が渡り終え、僕も揺れの収まったつり橋を渡った。

 

渡り終えると、その親子が休んでいた。

 

女性は、大汗を拭いながら爽やかな笑顔を見せてくれた。

 

角材は増築中のゲストハウスに使うものだと言う。

 

75kgもある。

 

試しに背負ってみたが、僕には歯が立たなかった。

 

たいしたものだ、と思った。

 

成り行きで、彼女のゲストハウス『ブッタ』に泊まることになった。

 

 

 

しかし今、そのゲストハウスは姿を消してしまっている。

 

震源地ではなかったが、地震の際に、ランタン村の頭上にあった大量の氷河が崩壊した。

 

地震の揺れでは壊れなかった村の家や寺が吹き飛ばされてしまったのだ。

 

しかし、子供たちは助かった。

 

全ての子供たちが助かった分けではないが。

 

ネパールは就学率が半分に満たない。

 

その時、幸い学校に行っていた子供たちは被害に遭わなかったが、家と家族、村に残された友達の命が失われてしまってしまったのだ。

 

 

 

その子供たちがカトマンズ郊外の施設にいるのを知った。

 

そして、子供たちに直接、衣類と文房具を手渡すことにした。

 

衣類は、お世話になっているスポーツエイドジャパン代表から預かったスポーツティーシャツ50枚だ。

 

それらをスーツケースに収め、日本語の話せるガイドと共に施設に向かった。

 

そして子供たちに出迎えてもらった。

 

厳しく育てられているようだった。

 

甘やかしたり、かわいそうだからと優しくするよりいいのだと思った。

 

手渡すときには、一人ずつが感謝の気持ちと将来の夢を語ってくれた。

 

 

 

 

  山村の村を巡った。  

 

行ってみてわかったが、復興は自分たちでできると言う。

 

崩れた石の壁は再び積み上げればいいし、柱や屋根は森の木を切ってくればいいから、お金は必要ないとのことだった。

 

しかしのんきなもので、もう二年も経つと言うのに直しきれていなかった。

 

それどころか、壊れたままの家にシートをかぶして生活している有様だった。

 

でも、楽しそうだった。

 

ある寺(ゴンパ)では、危険でお堂には入ることができないために外にテントを張って真剣にお経を読んでいた。

 

そのゴンパは、いつ直すのだろうか。

 

村の家は、いつ直すのだろうか。

 

村を去った人たちは、戻ってくるのだろうか。

 

僕の、景色を楽しみにしながらの、2週間に渡る、山村を巡るトレッキングの記録です。

 

 

 

 

 

 

 

2年前に写した写真を全部渡すことができなかった。

 

特に震源地に近かったアルガットバザール周辺で写した子供たちの写真5枚全部だ。

 

「あっ、この子はその時に死んだよ」

 

「親や兄弟は?」

 

「潰されてしっまったり、離れていってしまったよ」

 

立派な学校が消えていた。

 

町外れのチベット人村が姿を決してしまった。

 

でもインフラ整備は、2年間で大分進んでいるようです。

 

 

 

 

 


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    • 2018.05.08 Tuesday
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      著書 「なぜ走る」 佐藤良一

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